健康食品やコスメとしてはもちろん、CBDオイルの原料としても最近よく取り上げられているヘンプオイル。しかし、ヘンプと聞くと、なんとなく抵抗感がある方もいるのではないでしょうか。
「ヘンプオイルってどんなもの?何でできているの?」
「ヘンプオイルとCBDオイルがよく一緒に紹介されているけど、どう違うの?」
「ヘンプオイルが体にいいって聞いたけど、どんな効果があるの?」
以上のような疑問をもっている方に向けて、今回の記事では、ヘンプオイルとはどんなものなのか、原料や成分、期待できる効果についてわかりやすく解説しています。
ヘンプオイルや、ヘンプに関する知識がない方にもわかるように用語の解説もしていますので、この機会に学んでみましょう。
ヘンプオイルとは?原料は何?
ヘンプオイルとは、ヘンプシード(麻の種子)からとれるオイルのことです。ヘンプシードを、低温圧搾法(コールドプレス)という製法で搾ってオイルを作ります。麻実油(あさみあぶら)、大麻油(たいまゆ)、カンナビスシードオイルなどと呼ばれることもあります。
食卓でよく使うスパイスの中にヘンプシードが使われていることをご存じですか?和食にはかかせない七味唐辛子に入っている「麻の実」とは、ヘンプシードのことです。
身近で使われているヘンプオイル
ヘンプオイルは、調味料として使えることはもちろん、ボディーケア用品としてシャンプー、ローション、ヘアトリートメントなどに使われています。
バイオディーゼル(植物燃料)としても注目されており、枯渇していくガソリンに代わる燃料として、実際にヘンプオイルを使って車を動かす実験も行われています。
ヘンプオイルとCBDオイルの違い
ヘンプオイルをについて調べていると、よく一緒に「CBDオイル」という言葉がでてきます。この2つはまったく違う性質をもっていますので、混同しないようにしましょう。
ヘンプの種を搾って作られるヘンプオイルに対して、CBDオイルはヘンプの茎と種からCBDを抽出し、オリーブオイルやヘンプオイルなどと混ぜて作られます。
CBD(カンナビジオール)にはリラックス効果が期待されており、ストレス解消などの目的に使われています。ヘンプオイルにはCBDが含まれていないので、純粋にヘンプシードのもつ栄養素や成分を体に取り入れる用途で使われます。
ヘンプオイルに違法性はありません
日本国内で禁じられているのはTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分で、THCには精神活性作用があります。ヘンプオイルにTHCは含まれないため、違法性はありません。
そもそも、麻の実に違法な成分が含まれていたとしたら、七味唐辛子にも入っていないはずですよね。
ヘンプオイルの成分は?どんな効果が期待できる?
ヘンプオイルの中には、必須アミノ酸をはじめ、必須脂肪酸のリノール酸やα-リノレン酸、オレイン酸などが豊富に含まれています。
ほかにも、ビタミンE、リン、カリウム、ナトリウム、硫黄、カルシウム、鉄、亜鉛などの成分がバランス良く含まれています。
一粒の種のなかにこれだけの成分が凝縮していることが注目され、チアシードやアサイーなどとともに「スーパーフード」としても認定されています。
リノール酸(オメガ6)に期待される効果
「必須脂肪酸」とは、体内で合成できない脂肪酸のことで、ある程度の量を食べ物を通して摂取することが勧められています。
必須脂肪酸の一つであるリノール酸には、血中のコレステロール値を低下させ、心臓病や生活習慣病の予防に効果があることが研究されています。
α-リノレン酸(オメガ3)に期待される効果
ヘンプオイルに含まれるもうひとつの必須脂肪酸、α-リノレン酸には、アレルギー症状の緩和や血圧の低下、血栓予防などに効果が期待されています。
現代の日本人にはα-リノレン酸が不足しているといわれており、積極的に摂ることで体内の栄養バランスを整えることができます。
原料のヘンプシードはスーパーフード!
スーパーフードとは、一般的な食品よりも栄養バランスや栄養価に優れた食品のことです。食材としてだけではなく、健康食品としての効果が期待できます。
ヘンプシードは、日本スーパーフード協会がとくに推奨している「プライマリースーパーフード10」に指定されており、その潜在的は効果は高く評価されています。
ヘンプオイルの活用法を4つご紹介
ここまでヘンプオイルや原料のヘンプシードについて解説していきましたが、ここからは具体的に、どのようにヘンプオイルを活用すればよいか説明します。
料理に使う
一般的なオリーブオイルやごま油のように、調理油としてヘンプオイルを使ってみましょう。
注意したいポイントは、ヘンプオイルにあまり熱を加えないこと。熱を加えすぎるとヘンプオイルの成分が変質してしまう恐れがあります。
パスタやサラダ、ヨーグルトなど、できあがった料理に直接かけて食べる方法がおすすめです。
直接飲む
栄養バランスに優れたヘンプオイルは、オリーブオイル健康法のように直接飲んでも効果が期待できます。
アマニ油のような独特の香りとナッツのような味わいがありますが、それほどクセがないため抵抗なく飲むことができるでしょう。
1日の摂取量の目安としては、大さじ1杯(15cc)ほどが適量といわれています。
ヘアケアに使う
ヘンプオイルに含まれる必須脂肪酸やビタミンはヘアケアにも効果が期待できます。必須脂肪酸が頭皮の炎症や乾燥を抑え、各種ビタミンは髪にうるおいを与え、ドライヤーや紫外線から髪を守るはたらきをします。
食用のヘンプオイルを髪に使っても問題はありませんが、アルガンオイルなどが配合されたヘアケア専用のヘンプオイルなどを使えば、よりいっそう効果的ですね。
スキンケアに使う
ヘンプオイルを使ったオイルパックは、乾燥しがちな肌の保湿に効果が期待できます。風呂上がりや洗顔後の、肌がしっとりしている状態でヘンプオイルを顔全体になじませ、数分後にタオルなどでふきとります。
ヘアケアと同様に、食用のヘンプオイルも肌に直接使うことができます。ヘンプオイル配合のフェイスクリームなども人気ですので、肌に合わせて選びましょう。
まとめ:ヘンプオイルについて正しく理解して日常に取り入れよう
ここまでヘンプオイルについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?今回解説した要点を、もう一度以下にまとめていきます。
- ヘンプオイルはヘンプシード(麻の種子)を圧搾して作られるオイルのこと
- CBDが含まれるCBDオイルとヘンプオイルは別もの(どちらも違法性はない)
- ヘンプオイルには必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれる
- 食用、ボディケア、バイオ燃料など、さまざまな分野で効果が注目されている
ヘンプオイルが安全で、健康や美容によいということがわかりましたね。違法性や中毒性はまったくありませんので、先入観から避けていた方も、この機会にヘンプオイルの効果を試してみましょう!