CBD製品を調べているとパッケージや商品の説明文に「フルスペクトラム」や「アイソレート」「ブロードスペクトラム」と記載されています。これらの用語はCBD製品を購入する上で重要なポイントになりますが、それぞれの単語の意味・違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。また、フルスペクトラムやブロードスペクトラムは違法なの?と疑問を持っている方もいると思います。
CBDフルスペクトラムとは、麻に入っているすべての成分が抽出された製品のことです。高いアントラージュ効果が期待できますが、すべてにはもちろんTHCも含まれていることから、取扱いには気をつけなければなりません。そこで今回はCBDフルスペクトラムの特徴や、日本における違法性について紹介します。
CBDの製造方法には3種類ある
CBDの製造方法には、大きく分けて以下の3種類があります。
- フルスペクトラム
- ブロードスペクトラム
- アイソレート
製造方法によってできる製品は特徴が大きく異なるため、ぜひチェックしてください。では、次の項目で詳しく見ていきましょう。
○○スペクトラムとは製品に含まれるカンナビノイドの幅の意味
「フルスペクトラム」、「ブロードスペクトラム」、「アイソレート」は製品に含まれるカンナビノイドの種類の幅を意味しています。カンナビノイドとは、大麻植物(ヘンプ含む)から抽出される様々な化学物質の総称です。
CBDもカンナビノイドのひとつで、それ以外にもTHCをはじめとした100種類以上のカンナビノイドが大麻植物には含まれています。
CBD製品の中にはCBD以外のカンナビノイドが含まれる製品や、CBD以外のカンナビノイドがすべて取り除かれている製品があります。
そして、含まれるカンナビノイドの種類の幅や数によって「フルスペクトラム」か「ブロードスペクトラム」か「アイソレート」かが決められています。
以下にそれぞれの種類の説明とメリット、デメリットを紹介します。
※ THCは向精神作用があることから日本国内では違法で、国内で流通しているフルスペクトラム製品では取り除かれています。
フルスペクトラムとは?
「full spectrum(フルスペクトラム)」は日本語で「全範囲」、もしくは「全領域」という意味を持つ言葉です。名前の通り、CBDはもちろん、麻に含まれるすべての成分が入っている製品を指します。
THCも含めすべての成分が摂取できることから、アントラージュ効果を最大限まで引き出せることが魅力です。
THCの量は、アメリカでは0.3%以下であれば問題ないとされます。しかし、日本では一切の混入が認められていません。
所持するだけで違法になるため、購入には注意が必要です。
国内でもフルスペクトラムと称して商品が販売されることがありますが、THCのみが除去された実質的にはブロードスペクトラム製品であることが多いです。
フルスペクトラム製品のメリット
- アントラージュ効果(カンナビノイドの相乗効果のこと)を期待でき、効果を実感しやすい
- 同じ理由で、摂取量が少なくて済む
- CBD以外のカンナビノイドや他の成分の効果も得られる
- CBD製品特有の味や匂いが残っている
フルスペクトラム製品のデメリット
- CBD製品特有の味や匂いが残っている
- アイソレートと比較してやや高価な場合が多い
ブロードスペクトラムとは?
「broad spectrum(ブロードスペクトラム)」は日本語で「広範囲」、もしくは「広分野」という意味を持つ言葉です。フルスペクトラムからTHCだけを取り除いた製品で、CBD以外のカンナビノイドやミネラル、テルペンなども含まれます。
ただし、定義はメーカーによっても異なるため注意が必要です。CBDとCBD以外のカンナビノイド(THCを除く)が1つ以上含まれていれば、ブロードスペクトラムとなる場合もあるため、購入の際には成分を確認しましょう。フルスペクトラムほどではないものの、アントラージュ効果は期待できます。
一般的にフルスペクトラム製品はすべてのカンナビノイドを含んだ状態で抽出し製品化します。
多くのブロードスペクトラム製品も同じプロセスで作られますが、一部のブロードスペクトラム製品はCBDのみを抽出したCBDアイソレート(後述)に後から他のカンナビノイド成分やテルペンをいくつか加えて作られる場合があります。
CBDにCBG、CBN、テルペンを加えた製品などがこのケースにあたります。
数種類のカンナビノイドに限定せず、多様なカンナビノイドを含んだ製品が欲しい方はフルスペクトラムと表記されているものか、ブロードスペクトラムかつ製法や成分分析表をチェックするようにしましょう。
ブロードスペクトラムのメリット
- アントラージュ効果(カンナビノイドの相乗効果のこと)を期待でき、効果を実感しやすい
- 同じ理由で、摂取量が少なくて済む
- CBD以外のカンナビノイドや他の成分の効果も得られる
- CBD製品特有の味や匂いが残っている
ブロードスペクトラムのデメリット
- ブロードスペクトラム製品ごとに差が大きい
- CBD製品特有の味や匂いが残っている
- アイソレートと比較してやや高価な場合が多い
CBDアイソレートとは?
「isolate(アイソレート)」は日本語で「隔離」、もしくは「分離」という意味を持つ言葉です。CBD成分のみを抽出した製品で、CBDの割合が99%以上と高い純度を誇ります。また見た目が白い粉であるため、CBDパウダーとも呼ばれています。
アイソレートはTHCが含まれていないことはもちろん、そのほかの成分もほぼない、CBD成分のみの製品です。そのため、アントラージュ効果は期待できません。一方でCBDはドーピングに該当しないことから、欧米ではスポーツ選手が使用することもあります。
CBDアイソレートのメリット
- 純粋なCBDであり、安全性が高い
- 味も匂いもしないので摂取しやすい
- 様々な用途で柔軟に利用しやすい
CBDアイソレートのデメリット
- 他のカンナビノイドの効果を享受できない
- アントラージュ効果がない
フルスペクトラムCBDの特徴
次に、フルスペクトラムCBDの特徴を掘り下げてみましょう。主な特徴は、以下の通りです。
- THCが含まれている
- 麻特有の風味や苦味などが強く残っている
- アントラージュ効果が期待できる
- 植物化学物質がCBDの効果をより高める
では次の項目を詳しく見ていきましょう。
THCが含まれている
フルスペクトラムCBDには、微量ではあるもののTHCが含まれています。そのため、THCのないCBDよりも高いアントラージュ効果が期待できます。またTHCはいわゆる「ハイ」になる作用がありますが、フルスペクトラムの場合アメリカでも0.3%以下の量と定められているため、この程度の微量なTHCではハイにはなりにくいとされています。
一方でどれだけ微量であっても、日本ではTHCが含まれている物はすべて違法です。ただし、日本の法律ではフルスペクトラムの定義は曖昧で、一概に違法とは言いきれません。また国内で流通する製品はTHCフリー(THCが一切使用されていない)であり、実質的にブロードスペクトラムと同じものとなっています。
麻特有の風味や苦味などが強く残っている
先ほど紹介したようにフルスペクトラムには、麻の全ての成分が入っています。その成分の1つが、テルペンです。テルペンとは麻に特有の風味や苦味を与える成分のことで、100種類以上のテルペンが麻には含まれています。
そのため、フルスペクトラムにもこのテルペンによって麻特有の風味や苦味などが強く残っていることがポイントです。特に舌下摂取など直接摂取すると味や香りを感じやすいため、慣れていない方や苦手な方は手軽に摂取しにくい製品かもしれません。
アントラージュ効果が期待できる
「Entourage(アントラージュ)」は、フランス語です。日本語に訳すと「側近」もしくは「取り巻き」という意味です。麻には、CBDやTHCなど100種類以上の化学成分が含まれています。この化学成分はそれぞれを単体で摂取するよりも、複数の成分を一度に摂取した方がより効果を高めることができるとされています。
フルスペクトラムには、麻の全ての成分が含まれているため、このアントラージュ効果を最大限に発揮できるのです。
植物化学物質がCBDの効果をより高める
2018年の研究結果によれば、麻に含まれるテルペンやフラボノイド(ポリフェノールの一種で、植物色素の総称)などの植物性化合物には、神経保護作用や抗炎症作用を持つ可能性があると示されました。
これはつまり、CBDはテルペンやフラボノイドと一緒に摂取した方が効果のアップが期待できる、と考えられます。
フルスペクトラムCBDは日本では違法?
THC(テトラヒドロカンナビノール)とは、麻の花や穂、葉、根など幅広い部分から抽出される成分です。いわゆる「ハイ」になるような精神作用があり、依存性が高いことから、日本では麻薬に分類され、規制が行われています。
アメリカにおいては、THCの量が全体の0.3%以下であれば、フルスペクトラムCBDの利用は合法であり、特に問題はありません。
しかし日本ではどれだけ微量で低濃度だったとしても、THCが検出されてしまえば刑事罰に問われる危険性があるのです。
そのため、海外で製造、販売されているフルスペクトラムCBDは、THCが入っている可能性を考え輸入や購入はおすすめできません。
一方で先ほど紹介したように、日本ですでに流通しているCBD製品に関しては基本的にTHCフリー(THCが一切使用されていない)であり、実質的にはブロードスペクトラムと同じため安心です。
まとめ
今回は、フルスペクトラムも含めたCBD製品の製造方法やフルスペクトラムの主な特徴、日本では合法か違法か、などについて紹介しました。
フルスペクトラムにはTHCが含まれているため、アメリカなどでつくられた製品に関しては違法である可能性が高いと考えられます。
THCが検出されれば、刑事罰に問われる可能性もあるため、購入や輸入には注意しましょう。
一方で日本で流通しているものは、実質的にブロードスペクトラムです。
THCは含まれていないため、基本的には安全に利用できます。
それでも気になるという方は、skewでブロードスペクトラムの商品を扱っていますので、ぜひチェックしてください。
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